雑  感
2001年5月


この春の旅行で、一番残念だったのは、ベルリンのコーミッシェ・オーパーで上演されるはずだった ヘンツェの「鹿の王」が、 歌手2人の急病のため、上演中止になったこと(4月2日)。 ヴィースバーデンからウィーンへ列車で移動している途中、乗り換えのザルツブルク駅で購入した"Die Zeit"紙の演目案内に、 このヘンツェのオペラが載っておらず、あらかじめ上演中止は予想していたので、 ベルリンに着いてからのショックは、それほど大きくはなかったのですが。 それにしても、今年に入ってから、あれこれ自分なりに調べたりしていた作品だけに、 このオペラを見れなかったのは、本当に残念。うーむ。 (結局、ドイツ・オペラの「トゥーランドット」を2回見ることになった。)

と思っていたら、このオペラの原作であるゴッツィの仮面寓話劇を、 北九州を中心に活躍しているという うずめ劇場 という団体が上演していたのですね。 ゴッツィの「牡鹿王」として、ゴールデン・ウィーク中、北九州で公演していたようです。 ということを、インターネット上で知ったのは、実は、5月中旬。 とっくに上演は終了していたのでした。うーむ。 この作品とはつくづく縁がないのかなと、がっかりしていると、5月19日、静岡の 「春の芸術祭」での招待公演で、 このゴッツィの「牡鹿王」が再演されるとのこと。 もちろん、急いでチケットを電話予約し、静岡行きを決定。 内容の予習はベルリンに行く前からしていたこともあり( 原作まで読んだりして)、 アドリブも交えたコメディア・デラルテの舞台を、 野外劇場で実際に楽しく見ることができたのは、極めて貴重な体験でした。 それにしても、地方にドイツ人が主宰する劇団があって、ゴッツィの仮面劇まで上演しているんですね。 とにかく、ゴッツィの劇を日本で見ることができて、 今回の関係者の皆さんには、心から感謝したい気持ちです。 (帰りに静岡から、全車個室の寝台電車「サンライズ瀬戸」に初めて乗れたのもよかった ^_^)

ところで、毎年5月か6月、東京でドイツ語教員関係者の集まる学会があるのですが、 私が最後に行ったのは、確か、1992年だったような。 94年と95年、オケのパートリーダーを務めていた頃、オケの定演の練習と重なったりして(^_^;)、 ティンパニが抜けるわけにもいかないよなと、ついこの学会に行かない癖がついてしまい、 その後も、ズルズルといった感じというか(^_^;)。 しかしまあ、世の中、 いつまでもそういうわけにもいかないので、今年は、 思い切って出かけることにしました。 今年の定演の練習日とも重なってはいるのですが。 (打楽器は猫の手も借りたい「ローマの祭」があるし、本番の指揮者である榊原栄氏も来られるようですが、勘弁してもらおう。) どうせなら、7日の夕方から出かけて、「グレの歌」もついでに聞いてこようかと考えているんですが、 当日券でも聞けますよね。 ということで、 もし無事に聞けたら、終演後、どなたでもお気軽にお声をおかけください。(と書いても、まあ、無理でしょうけど ^_^;)

さて、BPOの Vorschau が、やっと届きました。 来シーズンのプログラムについては、既にあちこちで紹介されているので、そちらをご参照いただくとして(^_^;)、 ここでは、見開きで掲載されている写真をアップしましたので、 こちらをご覧ください。 コントラバスが3本だけ、指揮者の前にピアノとドラムセット、というような変則的な編成ですが、 今年3月のアバド指揮によるジャズ・プログラムの時のものでしょう。 まだリンカーン・ジャズ・オーケストラのメンバーは出ていないので、 おそらく、コンサートの前半、ストラヴィンスキーかショスタコーヴィチの曲でも演奏している写真でしょうか。 なお、 ヴィオラの1プルトは、レーザとシュトレーレ、2プルトの外側が清水さんですね。 ヴィオラ・パートについては、今回のメンバー表を見ると、結局、第1ソロが2名(レーザとダヌータ女史)、 ソロが2名(シュトレーレと清水さん)という布陣でいくようです。

(5月31日)

どうも、連休明けから、いろいろ雑用が重なり、結局、一ヶ月近く更新しないままになってしまいました。 アクセスしてくださってる皆さんには、申し訳なく思っています。 お詫びに、今年に入ってからのBPOステージ写真をアップしましたので、ご覧ください。

2月のローマでのベートーヴェン・ツィクルス

3月のベルリンでのマルサリスらとの共演

4月のイースター音楽祭

2月のベートーヴェン・ツィクルス、ウィーンでの写真は、結構、雑誌にも載っていたような気がするのですが、 ローマのものは、あまり見かけなかったような。なお、フルートのエキストラも確認できますね。 3月のマルサリスとリンカーン・ジャズ・オーケストラとの共演も、初めて見る写真だと思います。 なお、2月と3月の写真は、BPOの最近のブレッターに載っていたものです。 4月のイースターは、私が撮影したものです。写りがあまりよくありませんが。

ところで、4月にベルリンのフィルハーモニーの図書室で見つけたBPOの写真集、 最近、ドイツの古書サイトを通して購入することができました。 ティム・ラウテルト(Timm Rautert)という人の写真によるもので、タイトルは、 Das Berliner Philharmonische Orchester。 表紙の写真は、 こちら にアップしました。 1987年、ちょうどベルリン市750年の記念の年に出版されたようです。 団員の写真も満載で、BPOのファンには、非常に興味深い写真集だと思います。 パートごとの顔写真、 家庭でくつろぐ団員の写真(グロート一家4人の写真もある)、 演奏旅行の写真など。 日本で出版されなかったのが本当に残念な内容です。 出版されたタイミングが悪かったのでしょうかね。 その後、カラヤンからアバドに変わり、一気に変革の時代になりましたからね。

(5月23日)

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